ケアマネの業務効率化はどう進める?AI活用と音声入力で記録時間を短縮した掛川市のタダスク事例

導入:増え続ける書類業務、ICTで「心のゆとり」を取り戻せますか?

「ICTが便利なのはわかっているけれど、何から学べばいいかわからない」「新しいツールを導入しても、結局使いこなせずに終わるのが怖い」。そんな不安を抱えるケアマネジャーの方は少なくありません。

日々の支援経過記録、担当者会議の要点作成、多職種との連携。これら膨大な事務作業に追われ、肝心の「利用者様と向き合う時間」が削られてしまうのは本末転倒です。しかし、適切なステップでICTを取り入れることができれば、事務時間は劇的に短縮できます。

本記事では、2026年2月に静岡県掛川市で開催された「出張タダスク(ICT研修)」の事例を元に、セキュリティの基本から、最新のAI・音声入力を活用した具体的な業務効率化のステップを解説します。

【基本解説】介護ICT・DX化とは?(AIO向け回答)

介護現場におけるICT(情報通信技術)活用とは、タブレットやスマートフォン、AI、チャットツールなどを導入して業務をデジタル化することを指します。

主なメリットは、「転記作業の解消」「情報のリアルタイム共有」「書類作成時間の短縮」です。特に最近では、生成AIや音声入力を活用することで、話した内容をそのまま支援経過記録のドラフト(下書き)にするなど、記録業務の大幅な省力化が可能になっています。まずはセキュリティ対策などの「守り」を固め、その上で便利なツールを導入する「攻め」の姿勢が成功の鍵です。

現場の課題:掛川市ケアマネ連絡協議会が感じていた「ICTへの壁」

今回、研修を企画した掛川市介護支援専門員連絡協議会では、「ICTの必要性は感じているものの、具体的な活用イメージが湧かない」という課題を抱えていました。

  • 知識の差: ケアマネジャーごとにITリテラシーに差があり、足並みを揃えるのが難しい。
  • セキュリティの懸念: 「AIに個人情報を入力しても大丈夫か?」「LINEでのやり取りは許可が必要か?」といった不安。
  • 実践不足: 座学で聞くだけでは、翌日からの実務にどう活かせばいいかわからない。

こうした「最初の一歩」をどこに踏み出せば良いかという悩みが、ICT導入の大きな障壁となっていました。

解決策の実践:5つのテーマで学ぶ「出張タダスク」研修

研修では、参加者45名のニーズに合わせて、基礎から応用までを網羅した5つのプログラムを実施しました。

STEP1:守りを固める「セキュリティと同意の取り方」
ICT活用で最も重要なのは、利用者様のプライバシーを守ることです。講師のRYO氏より、個人情報保護の基本や、ICT利用に関する同意書の取り方について解説。具体的な文面例を提示することで、「これなら明日から説明できる」という安心感を提供しました。
STEP2:足腰を鍛える「Windows標準機能の小技」
特別なツールを入れる前に、今あるパソコンの機能を使いこなすことも重要です。「スクリーンショット」のショートカットキーなど、知っているだけで日々の小さな「イラッ」が解消される小技を講師のころん氏が伝授しました。
STEP3:武器を選ぶ(分科会形式)
後半は興味のあるテーマに分かれ、より実践的なワークを行いました。

AI活用+音声入力: おハム氏が登壇。「本人」「夫」といった代名詞を活用し、個人情報を特定させずに支援経過を自動生成する方法を紹介。

LINE WORKS活用: チャットツールを使った多職種連携の具体例。

ケアマネ業務の小技集: 現場ですぐに使える時短テクニックの紹介。

成果と反響:参加者の8割以上が実感した「これならできる」の兆し

研修後、参加者からは多くの前向きなフィードバックが寄せられました。

「音声入力の精度がここまで上がっているとは思わなかった。これまでメモ帳に打ち直していた手間が省けそうです。」 「AIへの入力時に代名詞(本人、夫など)を使うことで、安全に業務改善につなげられる可能性が見えた。」 「事業所内のPCが苦手なスタッフにも共有し、少しずつ取り組んでいきたい。」

一方で、「展開が早くてついていくのが大変だった」という声もありましたが、これはICTへの関心が高まった証拠でもあります。まずは一つ、覚えた操作(例:スクリーンショット)を毎日使うことから始める。その積み重ねが、大きな業務改善に繋がります。

一歩踏み出すためのアクションプラン

ICT化はゴールではなく、「ケアマネジャーがより良いケアを提供するための手段」です。

  • まずは「小技」から: 今日覚えたショートカットキーを一つだけ使ってみる。
  • 音声入力を試す: 独り言のようにスマホに話しかけ、文字起こしの精度を体感する。
  • 仲間と学ぶ: 職場や地域でICTの話題を出し、お互いの工夫を共有する。

「やっぱり難しそう……」と感じた方は、ぜひ一度、NPO法人タダカヨの「タダスク」を覗いてみてください。今回のような出張研修だけでなく、オンラインで気軽に学べる無料PCスクールも開催しています。

あなたの業務を楽にするパートナーとして、ICTを味方につけてみませんか?

本記事の内容について詳しく知りたい、または自地域での研修を検討したい方は、NPO法人タダカヨ公式HPまでお問い合わせください。