【活動事例】介護テックを、地域と介護現場の日常へ。~LYNXSの地域実装を支える、アンバサダーとタダカヨの伴走支援~
「素晴らしい介護テックを開発したけれど、現場に届かない」
「導入はされたものの、日常的な活用までなかなか進まない」
「地域全体で使ってもらうモデル事例をつくりたいが、どこから始めればよいかわからない」
今、多くの介護テック企業や行政、関係団体が、こうした“実装の壁”に直面しています。
介護テックは、機能が優れているだけでは、地域や介護現場に根づきません。
実際に使う人がいて、周囲に伝える人がいて、現場の課題に合わせて活用方法を育てていく人がいる。
その積み重ねによって、初めてテクノロジーは「導入されたツール」から「日常を支える仕組み」へと育っていきます。
現在、滋賀県の湖南メディカルコンソーシアムを舞台に、医療・介護連携を支える介護テック「LYNXS」の地域実装に向けた取り組みが進んでいます。
湖南メディカルコンソーシアムは、大津・湖南医療圏を中心に、多くの医療・介護施設が参画する地域医療連携推進法人です。
この地域で、LYNXSを活用しながら、多職種・多法人がよりスムーズにつながるモデルづくりが進められています。
この取り組みの中心にいるのは、LYNXSというプロダクトだけではありません。
地域でLYNXSを使い、周囲に伝え、現場の日常に少しずつ根づかせていくアンバサダーや現場の関係者こそが、地域実装の主役です。

NPO法人タダカヨは、そのアンバサダーや現場の皆さまが自信を持って動けるよう、勉強会や操作支援、活用場面の整理を通じて伴走しています。
LYNXSが目指す地域実装

LYNXSは、医療・介護の関係者間における情報共有、連絡、日程調整、ファイル共有などをひとつにまとめる介護テックです。
地域連携の現場では、複数の法人、事業所、職種が関わります。
そのため、会議の日程調整に時間がかかったり、連絡手段が電話・FAX・メール・個別チャット等に分散され、必要な情報がどこにあるのかわかりにくくなったりすることがあります。
LYNXSを使っていない方でも、アカウント登録なしで会議の案内や情報を伝えることができ、相手は届いたリンクからその場で回答できます。 情報を受け取り、そのまま回答できます。ITが苦手な方でも使いやすく、電話やメールでの確認作業を減らし、情報共有を効率化できます。
LYNXSは、新しいツールを増やすものではなく、各事業所が使用しているツールをそのまま活用しながら全員がつながれる、いわば『連絡のハブ』としての役割を果たします。
地域連携の課題に対して、関係者同士がスムーズにつながるための仕組みとして期待されています。
一方で、どれだけ優れたプロダクトであっても、地域の中で継続的に使われる状態をつくるには、機能説明だけでは十分ではありません。
「便利そうだけど、自分たちに使えるだろうか」
「新しいツールを覚える時間がない」
「他の事業所にもどう伝えればよいのか」
「地域全体で使われる状態をどう作ればよいのか」
こうした不安や迷いは、介護現場で新しい仕組みを導入するときに自然に起こるものです。
LYNXSの地域実装では、プロダクトを一方的に導入するのではなく、地域の中にいる人たちが、自分たちの課題に合わせて使い方を考え、周囲を巻き込みながら活用を広げていくことを大切にしています。
主役は、地域でLYNXSを広げるアンバサダー
LYNXSを理解し、自ら活用し、周囲の関係者に伝え、地域連携の推進に取り組まれる方々を、LYNXSでは「アンバサダー」と位置付けています。
自分たちの地域にどのような連携課題があるのかを知り、LYNXSをどの場面で活かせるのかを考え、周囲の関係者に「一緒に使ってみませんか」と声をかけていく存在です。
たとえるなら、LYNXSは地域連携を前に進めるための道具です。
しかし、その道具を手に取り、地域の中で使い方を育てていくのは、そこに暮らし、働き、連携を必要としている人たちです。
タダカヨは、そのアンバサダーが一歩を踏み出しやすくなるよう、横に立って支える伴走者として関わっています。
タダカヨが担う伴走支援
タダカヨの役割は、LYNXSを前面に立って広めることではありません。
地域アンバサダーや現場の関係者が、自信を持ってLYNXSを使い、周囲に伝え、地域で活用を広げていけるように支えることです。
具体的には、勉強会の場で操作方法を一緒に確認したり、つまずきやすいポイントをその場で解消したり、現場の業務に置き換えて「どの場面で使えるか」を整理したりしています。
介護現場では、新しいツールに対して不安を感じることがあります。
それは、日々の業務が忙しく、失敗できない緊張感があり、新しいものを覚える余裕が限られているからです。
だからこそ、伴走支援では、単に操作を説明するだけではなく、現場の不安を受け止めることが大切になります。
「ここは間違えても大丈夫です」
「この場面ではこう使うと便利です」
「まずは会議の日程調整から使ってみましょう」
「事業所内で説明するときは、この言い方が伝わりやすいかもしれません」
こうした小さな支援の積み重ねが、アンバサダーの安心感につながります。

地域のアンバサダーや現場関係者が集まり、LYNXSの活用方法を学ぶ勉強会を実施。地域で使い、伝え、広げていくための第一歩がここから生まれています。

LYNXSの活用に向けて、アンバサダーや現場関係者が実際の業務を想定しながら意見交換。タダカヨは、疑問や不安をその場で確認しながら伴走しています。
湖南メディカルコンソーシアムで生まれた変化
湖南メディカルコンソーシアムでの取り組みでは、月1回のペースで勉強会を重ねながら、LYNXSの活用に向けた理解を深めてきました。
最初の段階では、参加者の中にも不安がありました。
「また新しいシステムを覚えるのか」
「スマホ操作に自信がない」
「自分の事業所で本当に使えるのか」
こうした反応は、介護現場ではとても自然なものです。
しかし、実際にLYNXSに触れながら、日程調整、関係者間の連絡、ファイル共有などの機能を確認していく中で、参加者の反応は少しずつ変わっていきました。
「会議の日程調整がLYNXS内でできるなら便利」
「関係者間の連絡やファイル共有が楽になりそう」
「電話や個別チャットで分散していた連絡を整理できそう」
こうした声が生まれてきたことは、LYNXSが単なる説明会のテーマではなく、現場の日常業務に結びつく道具として受け止められ始めたことを示しています。
さらに、勉強会を重ねる中で、参加者が自事業所内でデモを行う動きも生まれました。
これは、参加者が「説明を聞く人」から、「自分の事業所で試し、周囲に伝える人」へと変わり始めたということです。
プロダクトの価値を企業や支援者が語るだけではなく、地域の人自身が「これは使えるかもしれない」と感じ、自分の言葉で周囲に伝え始めること。
その瞬間から、介護テックは地域の日常に近づいていきます。


電話・FAXで行っていた日程調整や書類共有が、LYNXSによってどのように楽になるのか。アンバサダー自身の言葉で、現場目線の活用イメージが共有されました。
介護テックを現場に根づかせるために
今回のLYNXSと湖南メディカルコンソーシアムの取り組みから見えてきたのは、介護テックを地域や介護現場に根づかせるには、三つの要素が必要だということです。
一つ目は、現場や地域の課題に応えるプロダクト。
二つ目は、そのプロダクトを実際に使い、周囲に伝え、活用を広げていく人。
三つ目は、その人たちが動きやすくなるよう支える伴走です。
どれだけ優れたプロダクトであっても、説明会を開き、アカウントを発行し、操作マニュアルを渡すだけでは、現場の日常に根づくところまでは届きません。その後に現場で使われ続け、職員や管理者の手によって活用が広がり、実践事例が生まれるところまで進めるには、地道な伴走が必要になります。
これは、地域連携を支えるLYNXSのようなプロダクトに限らず、法人内での展開や、施設・事業所単位での導入、介護現場への定着を目指す介護テックにも共通する課題です。
タダカヨは、企業に代わってプロダクトを売る存在ではありません。
プロダクトの価値を、現場の業務や困りごとに合わせて伝え、地域のアンバサダー、法人内の推進担当者、施設・事業所の管理者、現場職員の皆さまが、自分たちの言葉で活用を広げていけるよう支える存在です。
タダカヨが担える伴走支援には、次のようなものがあります。
現場に届く言葉への翻訳
プロダクトの機能を、現場の業務や困りごとに置き換えて伝え、職員や管理者が「自分たちの仕事にどう役立つのか」をイメージしやすくします。
地域・現場で動く人たちの活動支援
地域アンバサダー、法人内の推進担当者、施設・事業所の管理者、現場リーダーなど、実際に活用を広げていく人たちが動きやすくなるよう、勉強会や伴走支援を通じて支えます。
現場発のリアルなフィードバック
開発側だけでは見えにくい、現場の使い勝手、戸惑い、運用上の課題を拾い上げ、プロダクト改善や導入支援設計に活かせる形で届けます。
実装・定着モデルづくり
単なる導入実績ではなく、「どのような現場で、どのように使われ、どのような変化が生まれたのか」という実装・定着のモデル事例づくりにつなげます。
介護テックは、人が使い、育て、現場に根づく
LYNXSと湖南メディカルコンソーシアムの取り組みは、介護テックの実装において大切なことを教えてくれます。
それは、プロダクトの力と同じくらい、それを使い、伝え、広げていく人の力が重要だということです。
LYNXSという仕組みがあり、地域のアンバサダーや現場の関係者がその価値を受け止め、自分たちの地域や介護現場に合わせて広げていく。
そして、その一歩一歩を支える伴走者としてタダカヨが関わる。
タダカヨはこれからも、LYNXSの地域実装を支える取り組みを通じて、介護テックが地域や介護現場に届き、使われ続け、日常に根づいていくプロセスに伴走していきます。
介護テックを、現場に届けたい。
法人や事業所の中で、使われ続ける仕組みに育てたい。
地域の人たちとともに、よりよい連携のかたちをつくりたい。
そのような想いを持つ企業・団体の皆さまと、タダカヨはこれからも連携しながら、介護・福祉の未来を一緒にアップデートしていきます。
お問い合わせ
NPO法人タダカヨ
介護テックを地域・介護現場に根づかせる伴走支援のご相談
pr@tadakayo.jp / https://tadakayo.jp


