夜間の転倒防止!SwitchBot人感センサーで作る手作り離床センサー

夜間に一人でベッドから起き上がり、転倒や骨折をしてしまわないか不安に感じていませんか?福祉用具の離床センサー(マットセンサーなど)は非常に頼りになりますが、毎月のレンタル費用や介護保険の手続き、配線トラブルなどが課題になることも少なくありません。

そこでおすすめなのが、数千円で購入できる「SwitchBot(スイッチボット)人感センサー」を活用した手作り離床センサーです。ベッドの足元に設置するだけで、夜間の立ち上がりを検知してスマホへ素早く通知してくれます。この記事では、低コストで家族の安心と睡眠を守る具体的なDIY手順を分かりやすく解説します。

高齢者の夜間転倒リスクと「離床センサー」の導入課題

高齢者や要介護者にとって、夜間のベッドからの起き上がりや歩き出しは、自宅内での事故が最も発生しやすい危険な時間帯です。まずは夜間に潜む危険性と、従来の対策における課題を整理してみましょう。

暗闇での立ち上がり・歩き出しに潜む転倒の危険性

夜間に目が覚めた際、トイレに行こうとしたり喉の乾きを覚えたりしてベッドから一人で立ち上がろうとすることがあります。しかし、睡眠直後は以下のような理由から事故に直結しやすくなります。

筋力低下とふらつき:

起き抜けは血圧の変動や筋力の低下により、立ちくらみやふらつきが起きやすい。

暗闇による視界の悪さ:

足元が見えにくく、ベッドの脚や布団、スリッパにつまずいて転倒する。

骨折リスク:

高齢者の転倒は「大腿骨骨折(太ももの付け根の骨折)」につながりやすく、そのまま寝たきり状態になる要因にもなる。

内閣府の発表(出典:内閣府「高齢社会白書」2025年)でも、要介護状態になる原因の上位に「転倒・骨折」が挙げられており、夜間の転倒防止対策は介護現場および在宅介護において最優先課題の一つです。

福祉用具レンタルや高額機器の導入に伴う「壁」

転倒を防ぐために介護現場や在宅で広く使われているのが「離床センサー(マットセンサー)」です。しかし、導入にあたってはいくつかの障害が存在します。

毎月のレンタルコスト:

介護保険の福祉用具貸与を利用しても毎月自己負担が発生し、自費レンタルの場合はさらに高額になります。

手続きや認定のハードル:

介護保険を利用するにはケアマネジャーとの調整などの手続きが必要で、導入までに時間がかかることがあります。

コードによるつまずきや断線:

機器と受信機をつなぐコードが床に這うことで、かえって介助者や本人がつまずく原因になったり、コードの断線トラブルが起きたりします。

SwitchBot人感センサーとは?数千円でできるDIYの仕組み

「SwitchBot(スイッチボット)人感センサー」とは、赤外線で人の動きや熱源を感知し、スマホへ通知を送ることができる手のひらサイズの小型センサーのことです。

SwitchBot人感センサーの基本機能と特徴

本体は手のひらに収まるほど小さく、コードレス(電池式)で動作します。付属の土台(台座)を使えば角度調整も自由自在で、どこにでも壁や家具に両面テープで設置できます。
本体価格は1個あたり約3,000円前後のため、高額な福祉用具を導入する前のお試しや、予備の対策としても非常に手軽です。

配線不要:

単4電池2本で動作するためコードがなく、つまずく心配がない

低コスト:

機器代は約3,000円のみ、毎月の利用料は0円

柔軟な検知設定:

感度や検知範囲を調整可能

ベッド足元に設置!手作り離床センサーの具体的な作り方・設定手順

ここからは、実際にご自宅や介護現場でSwitchBot人感センサーを離床センサーとして活用するための設置・設定手順を解説します。

手順1:検知範囲を「床に足を下ろすスペース」だけに絞って設置する

人感センサーを設置する際の最大のコツは、「寝返りでの誤作動を防ぐこと」です。部屋全体やベッドの上半分にセンサーが反応してしまうと、起き上がっていないのに通知が鳴り続けてしまいます。

設置位置を決める:

ベッドの側面(本人が脚を下ろす側)の足元近くの壁や、ベッドフレームの足元部分に台座を貼り付けます。

角度を調整する:

センサーの向きを「下向き」に傾けます。

検知エリアを限定する:

「ベッドの上にいる間は反応せず、床に足を下ろした瞬間だけ」センサーが横切るように範囲を絞ります。必要に応じて、センサーの側面にマスキングテープなどを貼り、感知する角度(視野角)を狭める工夫も有効です。

手順2:夜間(22:00〜6:00)だけスマホに通知が飛ぶスケジュール設定

次に、スマホの「SwitchBotアプリ(無料)」を使って通知ルールを設定します。昼間にベッドに近づいただけで通知が鳴ると負担になるため、時間を限定します。

設定のイメージ

  • 条件:22:00〜翌朝6:00の間に、人感センサーが「動体を検出」したとき
  • 動作:スマホに「お父さん(お母さん)がベッドから降りました!」とプッシュ通知を送る

この時間帯指定を行うことで、夜間の危険なタイミングだけをピンポイントで察知できるようになります。

手順3:遠隔地や別室でも気づける大音量アラート・通知設定

夜間、家族が別室で寝ている場合や、離れて暮らしている場合は、通常の控えめな通知音では気づかずに聞き逃してしまう危険があります。
確実に気づくために、以下の設定を行っておきましょう。

スマホの「おやすみモード」除外設定:

スマホがおやすみモードやマナーモードになっていても、SwitchBotアプリからの緊急通知だけは音が鳴るようにスマホ側の通知許可を設定します。

アレクサやスマートスピーカーとの連携(応用):

同居している場合は、介助者の寝室にあるスマートスピーカー(Echo Dotなど)から「ベッドから降りました!」と大音量で音声案内を流す設定も可能です。

導入前に必ず確認すべき注意点と必要な準備

SwitchBot人感センサーを使って離床センサーを作成・運用する前に、必ず確認しておくべき重要なポイントが2点あります。

スマホへの通知には「ハブ(Hub)」が必要

人感センサー単体では、近くのスマホとしか通信ができません。別室で寝ている家族のスマホや、遠隔地にいる家族のスマホへ通知を届けるためには、ご自宅に「SwitchBot ハブ2」または「SwitchBot ハブミニ」(約4,000円〜9,000円前後)という中継機器が必要です。

必要な環境と準備物

  • ご自宅にWi-Fi(インターネット環境)があること
  • SwitchBot人感センサー(約3,000円)
  • SwitchBotハブ(中継機器)

要確認:設置場所(ベッド周辺)にWi-Fiの電波が十分届いているかをあらかじめご確認ください

電池残量とセンサー設置位置の定期的な確認

センサーは単4電池2本で動作し、通常約3年間使用可能ですが、電池が切れると通知が届かなくなります。

アプリ画面で定期的に電池残量を確認する習慣をつけましょう。また、掃除の際などに手や掃除機が当たってセンサーの角度が変わり、検知エリアがずれていないかも定期的にテスト動作を行って確認してください。

よくある質問

寝返りを打っただけで誤作動して通知が鳴ることはありませんか?

センサーの角度を下向きにし、検知エリアを「床から高さ20〜30cm程度の空間」に限定すれば、ベッドの上での寝返りで誤作動することはほとんどありません。設置時に実際にベッドに横になり、手や足を動かしてテスト調整することをおすすめします。

介護保険の「福祉用具購入給付」や「レンタル」の対象になりますか?

市販のスマート家電(SwitchBot製品)は、原則として介護保険の福祉用具レンタルや購入給付の対象外(全額自己負担)となります。ただし、全額自己負担であっても合計数千円〜1万円程度で購入できるため、毎月のレンタル費用を払い続けるよりも経済的なメリットが大きい場合があります。

親の自宅にインターネット(Wi-Fi)がない場合でも使えますか?

スマホへ遠隔通知を送るにはWi-Fi環境が必要です。Wi-Fiがない環境では、Bluetooth接続が届く「同じ部屋の中(数メートル以内)」でしか通知を受け取ることができません。遠隔や別室で通知を受け取りたい場合は、ホームルーターなどの通信環境を準備する必要があります。

同居ではなく、一人暮らしで離れて暮らす親の家でも使えますか?

はい、親御さんのご自宅にWi-Fi環境とハブがあれば利用可能です。離れて暮らすお子様のスマホに「夜間に立ち上がった」という通知が届くため、電話をかけて確認したり、緊急時の迅速な対応に繋げたりすることができます。

手軽なスマートセンサーで夜間の安心と家族の睡眠を守ろう

今回のポイントをまとめます。

低コストで導入:

数千円のSwitchBot人感センサーで、高額な離床センサーをDIY代用できる

誤作動を防ぐ設置:

ベッドの足元・下向きに設置し、床に脚を下ろした瞬間だけを検知する

時間限定の通知:

夜間(22:00〜6:00など)だけ大音量で通知が飛ぶように設定し、睡眠を守る

「夜中に起き上がって倒れたらどうしよう」という不安から、介護する側が浅い眠りしか取れず体調を崩してしまうケースは少なくありません。
高額な機器や大掛かりな工事を検討する前に、まずは安価で手軽なスマートセンサーを活用して、お互いに安心して眠れる夜の介護環境を整えてみませんか?